第3章 譲れないモノ
『えっ…ここって…』
仕事終わり、宗四郎に連れてこられたのはジュエリーショップだった。
戸惑う私に宗四郎は…
「結婚指輪なら仕事中でも付けれるやろ?」
とニコッと笑いながら言った。
つい先日婚約指輪を貰ったばかりなのに…
結婚指輪だって高価なもの…
よしっ、今回は私も出そう!っと思っていた矢先…
「あっ!財布出したらあかんで?こーいうのは男が出すもんやからな!」
私の考えは全て彼には筒抜けのようだ。
『ッちょっ!』
「ほら、行くで〜」
るんるんの宗四郎に手を引かれて私たちはジュエリーショップにへと入った。
「ははっ、気に入ってくれたか?」
『うん…宗四郎、ありがとう』
と保科の左手薬指には指輪が光っていた…
左手薬指に光る指輪は宗四郎とお揃いだ。
付き合って長いけど、お揃いのモノは指輪が初めて…
凄く嬉しくて、ついつい左手ばかりに目がいってしまうのだ。
「えらい喜んでくれるんは嬉しいんやけど、指輪より僕のこと見てや」
『ふふ、ごめんね。嬉しくて…ンッ…』
「んっ…そんな可愛ええ顔は僕の前だけにしてな?…鳴海隊長には絶対見せたらあかんで?」