第3章 お嬢の彼女 千切 豹馬
『よかった…』
試合後、虎雪さんから豹馬の状況を聞いて安心した。
どうやらスタミナ切れだったようだ。
安堵とともに、知らないうちに豹馬が遠い存在になったことに寂しい気持ちになった…
テレビでは豹馬たちのことばかりだ。
そして学校でも…
U-20との試合から数日後…
『えっ…どうして…』
「エマ…」
なんとなく寄り道したい気分だった私は公園に立ち寄った。
ベンチに座りぼーっとしていると突然目の前に豹馬が現れたのだ。
ずっと逢いたかった豹馬…
「ッ!」
豹馬は目を見開き驚いた表情をしている。
きっと私が泣いてるからだ…
『豹馬…ごめんね、ごめんなさい…ッ!//』
「ごめん!」
気が付けば豹馬の胸の中にいた。
久しぶりの豹馬の匂いだ…
遠い存在になっちゃったと思ってたのに…
いざ逢えばそんなことはなく、豹馬は豹馬のままだ。
私たちは外だと言うことも忘れて暫く抱き合っていた。
「エマ、俺サッカー辞めねぇ。膝がぶっ壊れるまで俺は走り続ける…だからこれからも俺の隣で応援してほしい…」
『ッ!…うん!ンッ…豹馬…?///』
「ちゅっ)エマ、好きだ…」