【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
「壬氏様!!防家の月娘様が調査庁に訪問しました!!」
「!!!!」
調査庁からの任官の言葉に、執務室に居た3人の顔が青くなった。
月娘が何故調査庁に訪れたのか、想像しなくても分かるからだ。
壬氏は慌てて椅子から立ち上がると、高順と共に執務室を出た。
妃を殺した重罪人だとしても、後宮の法に則った罰をうけるべきだ。
月娘が罪人に何かしては彼女自身も罪に問われかねる。
それは今まで後宮で月娘がしてきた事とは、全く次元の違う話だ。
「ほら見ろ!月娘は絶対何かやらかすぞ!!」
「…素が出てますよ。」
素が出てしまおうが。
今は全力で月娘を止めなければならない。
壬氏は急いで月娘の元に向かった。
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薄暗い牢獄の1番奥にその女は居た。
普通なら、罪人に会いに行く事なんて出来ないが、千将軍が月娘を止める事なんて出来ない。
会いたかった女は素直に自白したからか、拷問の痕も無く思ったより綺麗な姿をしていた。