• テキストサイズ

【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】

第4章 後宮の外に毒の華が咲く④


そうしたら、月娘の侍女が囁いた。



『月娘お嬢様は、壬氏様に纏わりついている才人を気に入らなく、殺そうとしている。』



「……その手伝いをしてくれと言われて、断れなかったらしい。」

その時の事を思い出しながら、壬氏は呆れた様に言った。

「月娘様の所の侍女が死んだと伝えたんですか?」

「……言ったな……。」

「……………。」



壬氏の言葉を聞くと、猫猫は少し考える素振りを見せた。

「今回は明確に月娘様が関与していないと分かっていたから、その事を問い詰めたら、あっさり全ても白状したよ。月娘様の侍女に協力して貰って才人を殺したと。」

「………………。」



本当に、月娘の名前を出せば、罪から逃れられると思ったのなら。

なんともお粗末な結末だ。



「……結局、月娘様の侍女はなんで死んだんですか?」

「………防家で起きた事に、後宮の皇室の調査庁は動かないさ。」

「………壬氏様は本当に月娘様が殺したと思ってるんですね…。」

「…………思ってないさ…。」

そう言った壬氏の歯切れが悪い。
/ 408ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp