【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第4章 後宮の外に毒の華が咲く④
周りの目を気にして、壬氏にも会いに行けず。
侍女と2人だけの部屋の中で。
それは突然に始まった。
彼女はその鬱憤をあろう事か自分の侍女にぶつけたのだ。
毎日毎日、彼女は機嫌が悪くなると侍女を折檻した。
周りの人間は、そんな状況の彼女を更に面白がった。
彼女への嫌がらせはどんどん酷くなり。
その度に折檻の内容も激しくなる。
侍女は密室で繰り返される折檻に頭がおかしくなりそうだった。
いや、すでにおかしくなっていたのかもしれない。
その頃には毎日自分の主の死を望んでいたのだから。
月娘の侍女と才人の侍女が再開したのはその頃だった。
数年振りに会った心許せる相手に侍女は涙を流して縋り付いた。