【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第13章 【R指定】初恋的回忆〜初恋の思い出〜④
「殿下と月娘様に、夜伽の教育が始まります。」
高順に、壬氏はクラッとした頭を片手で支えた。
「月娘様にはこちらの春画を使い……、殿下は春画と……。通常夜伽の手解きをするのは乳母ですが、私の妻の桃美ですので、他の女官と手解きとなります。」
「……なんで月娘以外娶りたくないといっているのに、他に夜伽の相手を探すんだよ…。」
怒りで殺到しそうだった。
「殿下…決まりです。」
「絶対嫌だね。月娘以外と夜伽をする位なら、今すぐに宦官になって後宮に入る。」
壬氏の頑なさは、想像通りだった。
この宮中探しても、壬氏が認める夜伽の相手などいないだろう。
「……殿下がちゃんと夜伽が出来なければ、初夜の日に体を傷付く事になるのは月娘様です。」
月娘の名前に、壬氏は一瞬苦い顔をした。
しかし、月娘の名前を出せば壬氏が全て言う事を聞く訳では無い。
「月娘は俺が他の女人と夜伽をする位なら、おれの不手際など許してくれる。」
「………なら……。月娘様に決めて頂きましょうか……。」
ギラッと高順の目の奥が光った。