【薬屋のひとりごと】後宮の外に咲く毒の華【R指定】
第1章 後宮の外に毒の華が咲く
その壬氏の行動に、月娘の顔が青白くなる。
「この後宮で壬氏様の噂を沢山聞くもので…。本当に宦官になったの確認したかったんです。」
「……………。」
壬氏は青い顔をしながら倒れそうかなったが、なんとか持ち堪えると月娘に向かって歩き出した。
「………取ってないと言う事は、お前が1番知ってるだろう…。」
ボソッと月娘に聞こえるだけの声で、壬氏は言った。
そんな壬氏に月娘は顔色を変えず無表情だった。
「そうですか…私には分かりません…。何せ私は後宮の外の毒の華ですので…。」
壬氏のせいでついた月娘の名前に、壬氏は一瞬グッと息を呑んだ。
「毒の華と呼ばれているのは其方の所作の所為だろう!!」
月娘は実際にその名に相応しい所作をしている。
全てが壬氏の所為な訳では無かった。
「今更貴方に言われたくは無いわ…。」
そんな壬氏の言動は、激しく月娘を苛立たせた。