第3章 予兆と微票。
『まずは私からの質問に答えて』
今まで煙に巻かれてきた分、ここらで真実をはっきりとさせても良いだろうと、少々強気に切り出してみる。
「答えられる範囲なら話すよ」
『何が何でも口を割ってもらう』
「子供に対して大人げないな」
『茶化さないで、君が本当にただの子供ならね』
コナンを見据えて伝えた。
子供として扱うには到底無理がある。
コナンも沖矢も、のその言葉に険しさを滲ませた。
『安室透と組織の関係性は?』
コナンが険しい顔のまま沖矢を見上げる、沖矢はその視線に気づき大きくため息をついてから重々しげに口を開いた。
「その組織から狙われているのが君だ」
彼の話を聞いたのに、返答は望んだものではなかった。
『は…どうして私の「最後まで聞け、組織から保護するためにFBIと協力して動いていた」
「安室さんはその組織の人間なんだ」
『え…?』
降谷が自分を狙う組織の関係者だとコナンは言っているのに、理解は出来るけど上手く咀嚼ができない。
「そしてさんも、組織の人間だったんだ」
『……?』
「ミスティー、それがさんのコードネームだったはずだよ」
よく知る単語だ。
『…あ……、指輪…』
「指輪?」
バッグから車の鍵に付いた指輪を取り出してコナンに見せた。
内側には"Misty"と彫られてある。
「珍しいな、本来ならばコードネームを残すような真似はしない…」
バカなのかと言いたげな視線を向けられているような気がする。
『"私"のだけど私のじゃないから!』
「他に何か変わったものは?」
『特にないと思う…』
「そっか、ありがとう」
あれだけ知りたかった事実はあっさりと知れた。
"私"もどうやら、悪役だったらしい。
多額の貯金と不定期な入金、それにガラスケースの中の武器に、身体に残る銃槍。
全ての辻褄があってしまった。
、24歳。
記憶喪失の元探偵。
その正体は、自分を狙う組織に組みしていた。
コードネームは、Misty。