第24章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「すげえよ‼もうさ、ゲロが滝なの!!」
「交互に吐きまくったな!!」
「汚えな、二人とも!!」
「全部出してすっきりした!!」
「もう一回飲むぞ!!」
「もう飲むなよ‼」
「葵なんかすごかったぞ!!鼻からゲロだしてやんの!!」
ゲラゲラ笑う五条に、葵もまた笑った。
そしてテーブルで突っ伏して寝ていた夏油は、その喧騒の中目を覚まして。
「鼻ゲロマンだ」
と、ぼそりと呟いた。
その声は4人の耳に届き。
「「「鼻ゲロマンだ!!」」」
東堂を指さして笑った。
虎杖も昔のように、満面の笑みを浮かべて。
「よしっ!!二次会に行くぞ!!」
「夏油さんはもう飲まない方が……」
「いいや、飲むね!!悟!!いい店紹介して」
「おっけ~!!」
五条と夏油は肩を組み、バインダーを持ってレジへと向かった。
東堂もまた「今度こそは五条も鼻ゲロマンにしてやろう」と言いながら、二人の後を追いかけた。
遠ざかる3つの背中を見つめる虎杖に、伏黒は声をかける。
「お前も行くだろ、二次会」
「ああ」
「お前の話、もっと聞かせろよな」
肩を軽く叩かれた虎杖は、自分の先を行く同級生の背中をじっと見ながら、ゆっくりと足を動かした。
居酒屋だったそこは砂嵐となり、チャンネルが変わる。
かちりと音が鳴ると、目の前には扉が表れた。
「PASS」と書かれた扉。
その扉に向かって虎杖は歩き出す。
彼の頭の中で、同級生の声が聞こえた。
ような気がした。
【虎杖。超えて来いよ】
その言葉を信じて。
目の前にある扉のノブを回して。
扉の向こうに、足を踏み入れ、そして、静かに扉を閉めた。
瞬間。
指を鳴らす音と同時に。
空間は真っ白いあの大広間へと変貌した。
虎杖は他の4人の視線を感じながらも、ゆっくりと、自分の椅子へと腰を下ろした。