第5章 ※危機Ⅰ
何が起きたかはわからないけど
男がだらんとして動かなくなっている
どうやら気絶しているようだった
(これ…条くんが……)
信じられないけど倒してくれたんだ
私は力が抜けてしまい地面に座り込んでしまった
[ ちゃん!!]
足に力が入らないというか体全体が動けない
座り込んだことに気付いたのか条くんが駆け寄ってくる
[大丈夫!?怪我してる…!]
[じ…ょ…うくん…]
話しかけられた途端
[っ………うううう………]
安心したのか涙が溢れてきた
まるで雨のように止む気配もない
怖かった
なんでこんなことされなきゃいけないの
私が悪いから?
色んな思いが渦巻く
辛くて
条くんが来てくれなかったら今頃はどうなっていたのか
そう考えると怖くて仕方なかった