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ネジを弛めたサドルに跨がる瞬間【弱虫ペダル】

第7章 隠しきれない君の、 【荒北*裏】


も同じ気持ちならいいのにな。相変わらず恥ずかしげな表情に余裕はないけど俺のこれとそれとじゃ意味が違うんだろう。
少し下着の上から擦って、隙間に指を入れる。クチュとなったのが聞こえなくてもわかったのか、咄嗟に顔を背けた。
そんな素振りさえ俺を煽ってるって、気付かないのかなこの小動物は。

「ふぁっ、んっ」
「っ…」

呼べばおずおずとこちらに目を向けて、自然に唇を重ねて、入り口を少し刺激した指を抜いた。ベルトを外すなんて簡単な作業さえ焦れったい。それでも難なく外れ、ズボンのボタンを外しながらに覆い被さった時だ。荒っぽいノックでお互い動きが止まる。

「靖友、いる?」
「おーい、今日言ってた秘蔵本とやらを見に来たぞ!」

クッソ。とんだ邪魔モノが入った。どうしようかと一瞬を見るとあきらかに挙動不審になっている。布団で隠して出てやってもいいけど、それじゃが可哀想な気がして、居留守を使う事にした。鍵はかけたはずだよな、とドアを見ると、あきらかに開いている。まずい。

「いないのか?」
「音楽かかってるし気付いてないんじゃ…あ、開いてる」

ガチャ、その音が聞こえた瞬間足元に寄せておいた掛け布団を広げた。小さなベッドに二人ってのは端から見て不自然じゃないだろうか。寝たふりをするため俺は頭を少し出してるけど、頭まですっぽり隠れたは体を小さくして俺にしがみついている。
入るぞ、と聞こえ目を閉じた。見つかるんじゃないかと不安げに息をひそめるを抱き寄せる。あったけぇ。

「寝てるのか。じゃあまた出直そう」
「いや、その必要はない。なぜなら隠し場所を知ってるのだからな!」

何を自慢気に笑ってんだ。せっかく遠慮しようとした新開の言葉に期待をしたけど、アホな東堂が空気を読まない。でもまぁ、確かに東堂は例の本の隠し場所を知っている。目の前で机の引き出しの奥にあるファイルに挟んで隠したからだ。実家にいたときもだけど、どいつもこいつもまずはベッド下を覗いて案外そこはチェックされない。穴場だ。
慣れたように引き出しを開けてガサゴソと荒らす。あったあった、と取り出して、用が済んだならさっさと出てけばいいのになかなか出ていく気配がない。

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