第1章 序章
ガラガラとドアが擦れる音が聞こえた。
すると、今まで友達と話していた人は焦りながら急いで席に着く。
「はーい、じゃあ出席とるぞー」
やる気の無い声が教室に響き渡る。
次々と名前を呼ばれ、次は俺の番だ。
「月ヶ瀬 泊」
「はい」
やる気の無い返事を返しながら、窓を向く。
「お、今日は珍しく全員揃ってんな」
少し嬉しそうにしながら、出席簿を閉じる。
とはいえ、このクラスの人数は11人
普通に考えたら、揃うのが当たり前なのだが、
そこは流石劣等生が集まったクラスと思わなければいけない。
今日もいつも通りの日常が繰り返される....はずだった。
ドォーーーンッ!!!
「!!!」
大きな爆発音と共に地面が揺れた。
地震かと思ったが、あの爆発音から何か落ちてきたのだろうか。
誰も動けず呆然としていると、
「皆さん初めまして」
いきなり、声が聞こえてきた。
急いで立ち上がると、
「大丈夫でした? すみません、こちらの手違いであんなに派手にやってしまいました」
そいつは教卓の上に座っていて、俺を見ながら微笑む。
「君が月ヶ瀬 泊くん? 」
首を傾げながら、問い掛ける。
「あ、ああ」
素直に答えるとそいつは満足そうに笑う。
「ほらほら、他の皆さんも立って立って」
それに従うように、他の皆も立ち上がる。
「うん、皆良い子だね、じゃあ、始めようか」
そいつは教卓から降りると、教室にあるテレビの電源付ける。
ザーッとノイズが鳴り響く。
何が起こるのか全く想像が出来ない。
この何とも言えないネットリとした感覚。
気付けば額からじっとりと汗が吹き出す。
すると、今までノイズ音しかしなかったテレビから映像が流れた。