禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
「え、え、?ちょお、離して!」
顔が近い、異性に手を握られて自分よりも大きな手から伝わる体温に、いきなり意識しだして焦り始める。
先程までの苛立ちは、直哉を殴り飛ばした事で頭が冷え、普段のの思考に切り替わっていた。
元々切り替えの早いではあったが、それが今は裏目に出て直哉を意識せざるを得無くなった。
自分の手を握る直哉によって。
中学を卒業してから舞妓一筋、色んな人と接客や交流はして来たが、こんなに異性と距離が近いのは初めてだった。
故に。
「···、何や。自分照れとんのか?」
「そうやない!いいから離して!」
「関西弁と標準語がごっちゃになっとんで···」
直哉はそこで、ふっ、とある確信を得た。
よく見れば白い肌の柔らかそうな頬には、ほんのりと赤みがさしていた。
「···」
はふいっと直哉から顔をそらしたままだ。
(もしかしたらコイツ、異性との免疫が無いんとちゃう?)
「なぁ、一つ聞いてええか?」
「···、何?」
「今まで誰かと付き合うた事あるか?」
「···無い、けど」
「ほぉーん、そうか···」
怪訝そうなに対して、直哉は至極嬉しそうに笑みを浮かべた。