禪院直哉に溺愛されてるのですが助けてください!✿R18✿
第2章 第二話✿出会い:馴れ初め
禪院家
禪院直哉は、目の前に投げ出した何冊ものお見合い写真に、苛立ちを覚えていた。
(俺にこんな不細工共を娶れと···?)
内心暴言を吐き、麗しく着飾った彼女達の写真を睨みつけながら、足袋を履いた足でグシャ、と踏み潰した。
禪院直哉は、今年28歳。
結婚適齢期でもあり、呪術界の御三家にして跡取り息子となれば、縁談の話は次から次へとやって来る。
また、年齢的確にもお世継ぎを作らなければならない。
しかし、今の禪院直哉はそんな事には眼中には無い。
術師としてただ、慢心にトップを取る事しか眼中に無いのだ。
故に女など奴隷と同じ、愛でるものでも慈しむものでもない。
ただ、そこにいるだけの存在。
時期が来れば適当に真希にでも孕ませればいい。
そう思っていた。
「···どいつもこいつも、ふざけおってからに」
だから、今の自分がまさかの一目惚れをし、人に初めて恋した事に苦しめられるとは、夢にも思っていなかった。