第1章 はじまり
これも今日にとって思い出として残るのだろうか
残ると良いな
「はぁ。幸せな時間は一瞬で過ぎていくね〜」
の家の前につきそう無意識に呟くとは驚いた顔をしてこちらを見た
「…カカシさん、今日は幸せだったんですね」
「えっ……あ。」
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『それ、難しいね。オレにとっての幸せって何かよく分かってなくてさ。』
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今さっきおでん屋でオレが言った言葉を思い出す
「本当だ。オレ、今日幸せだって思ってたんだな」
は嬉しそうに笑ってこちらを見る
「私もです。今日、凄く楽しかったです。この心が踊るような、また次ご飯に行くのが楽しみな気持ちとか、これが幸せなんですかね?」
そうやってお互いを見つめるとなんて変な会話をしているんだと面白くなって2人同時に笑う
「カカシさん、本当にありがとうございます。また明日の夜からの任務、一緒でしたよね?」
「うん、そうだね。まさか火影様がそんなにここを固定してくるとは思わなかったけど。任務の後これだけ楽しいなら三代目には感謝しないとな」
「そうですね。…それじゃカカシさん送ってくださりありがとうございました。おやすみなさい」
「ん、おやすみ」
玄関の扉が閉まりの姿が見えなくなるとくるっと向きを変えて歩き始める
ひらひらと花びらのようなものが飛んでいるのを見つけ手をすこしあげると、一匹の蝶が指先に止まった
(これはの…)
「はぐれちゃったのね。ここで待ってれば明日にはが出てくるから安心して」
指先に止まった蝶を見ながら今日のことを思い出す
「お前は、なんだかみたいだな」
淡い桃色が彼女のふわふわとしたイメージとどこか切ない表情のどちらも表現しているようだった
マスク越しに蝶に口付けをするとまたひらひらと蝶は飛び立つ
(って、オレは本当になにしてるんだろう)
頭に手をやりながら片手をポケットに突っ込み
頭を冷やしながら帰路についた