第30章 星野
許嫁
「もしかしてあの女!
守くんをようやく手放したのね!!?
ねー?そうよね?星野!!」
電話中なのに騒がしい女だ。
そして性格が大変に悪い。
悟様が振り向かなかったのも無理はない。
頭花
「申し訳ございません、
電話中なので後ほどご説明を致しますので...」
私はベッドルームから出て、
静かなリビングにやってきて
通話の続きをします。
📱星野
「すみません、どこまで話をしたか...
あー、そうでしたね...
先程は無駄な殺生をしなくて済んだと
口からでまかせを言ってしまいましたが、
守様をこちらにお連れした後に...
殺しておいて下さいね。
え?飛行機で沖縄から出るかも??
大丈夫です、こちらでさんを
飛行機に搭乗できないように手配しておきますので。
...おや守様が泣いておりますね?大丈夫ですか?
...え?ミルクを飲んだのに泣き止まない??
オムツは替えましたか?
......え?替えた??おかしいですね?
熱などが出ているということはありませんか?」
赤子は母から離されると
たちまち体調が悪くなるという事が
あると聞いた事があります。
出来れば守様のお側に向かいたいのですが
許嫁さまの性の欲を私が解消せねばなりません。
📱星野
「熱は無い...ですか。
おそらくさんロスでしょう。
少し経てば落ち着くはずです。
それを見計らって五条家にお連れしてください。
えぇ...えぇ...では失礼します。」
(さんが死ぬまで安心は出来ませんが、
良い流れですね...本当に...)
〈星野ー!!身体が熱いわー!早く来て頂戴な!
頭花
「...下品な女だ...」ボソッ
(私は随分と嫌な人間になったものだな...)
頭花
「いま伺います!!」