第33章 優しさ ※
洋「…大丈夫だ。何があってもオレはあなたのことを否定しねぇ。迷惑でも何でもねぇから、思ったこと言ってみな」
優しくそう言われたあなたは思っていることをポツポツと話し始めた。
あなた「私…告白されても…返事しないくせに…だけど求められたりしたら…それも拒否せずに…いる」
洋「うん」
あなた「嫌だったらちゃんと嫌って言うけど…嫌じゃないから…拒否しないし、だけど、好きっていう感情がちゃんとわからないから、告白にも返事できずにいる…。洋平のことは好きだと思う。だけど、同じくらい楓のことも好きだし、彰さんだって好き。なにが違うのかわからない…」
洋「うん」
あなた「このまま、洋平と付き合ってもいいなって思ったりもする…けど、こんな気持ちで付き合うのって失礼だと思うし、楓とかと今まで通りにはできなくなっちゃう…それは寂しいって思っちゃう…だけど、楓と付き合ったとしても、今度は洋平と今まで通りできなくなっちゃう…それも、いや……。だから…今私は誰も選べない…。私、凄く欲張りで最低だと思う…。だけどもうどうしていいかわかんない…」
洋「そっか」
言いたいことが全然まとまらず、全て話すのに時間がかかったが、それに対して洋平はずっと相槌を打ってくれ、頭もずっと撫でてくれていた。
洋「そんなに悩ませちまって、本当に悪い。オレは、オレたちは本気であなたのことが好きだ。だからこそ、あなたの優しさに甘えて求めちまう」
あなた「私のは優しさじゃないよ…」
洋「いや、優しさだとオレは思ってる。そこにオレたちが無理矢理つけこんでんだ。あなたは何も悪くねぇ。」
あなた「ううん、悪いよ。拒否せずにその人を受け入れると、その時その人のことだけ考える。そしたら今悩んでることなんて全然考えずに済む。求めてくれるのを、私は逃げに使ってる…だから、悪いんだよ」