第30章 控え室~帰路
そして試合終了後、湘北メンバーは控え室で勝利の余韻に浸っていた。
だが、スタメンたちはクタクタであった。
木暮が急かし、皆を控え室から出す。
残された5人はユニフォームを脱ぐ元気もなく、流川はロッカーのそばで先に眠ってしまった。赤木も床に寝転がり、三井はロッカーを背に座り込む。そのうち花道や宮城も赤木のそばへ倒れ込み、全員静かに眠りにつく。
皆が眠ったのを見届けたあなたは控え室を出る。
高宮「いよーっ花道!やったじゃねーか!」
するといつもの4人がワイワイと控え室までやってきた。
あなた「しーーっ。今はね、立ち入り禁止」
4人はその意味はよくわからなかったが、何となく察した。
洋「……そうか!あなた、よかったな」ポンポン
あなた「うん!!!みんなすごいよ…!!」
大「しっかり応援してたから、伝わったんじゃねぇの?」ポンポン
野「あぁ、あなたからの応援は効くからな」ポンポン
高「おつかれさん」ポンポン
あなた「みんなだって…いつも応援ありがとう!」
そう言って洋平たちと別れた。
あなたは1人会場の外を歩いていた。
あなた「…………あ」
藤「…………」
そこには何をするでもなく、ただ外を眺めている藤間がいた。
藤「……あなたか。おめでとう」
あなた「ありがとう…ございます…」
藤「負けちまったな…。かっこわりぃとこ見せちまった」
あなた「っ!そんなことないです!監督してる時だって…冷静で頼りになって…藤間さんの一言で皆が引き締まって…それに…!バスケしてる時だって………っっっ!!」
藤間はたまらずあなたを抱き寄せた。
その瞬間、ふわっといい香りが漂う。
藤「……悪い、もう少しだけこうしててくれ」
あなた「………はい」
あなたも手をまわし、背中を優しくさする。
少しの間、言葉を交わさず抱き合った。
藤「……ありがとう。悪かったな」
あなた「落ち着きましたか?」
藤「あぁ」
あなた「よかった」
藤「……戻らなくて大丈夫か?」
あなた「そうですね…戻らなきゃですかね…」
藤「次も勝てよ…」
あなた「もちろんです!」