第27章 初めて ※
流「あなた」
あなた「楓、お疲れ様!」
流「一緒に帰るぞ」
あなた「うん、帰ろっか!」
あなたはありがたかった。
なぜなら今1人にはなりたくなかったから。
誰かと話をして気を紛らわせなければ、いつ涙が溢れてくるかわからない。
試合に遅れたことに触れることなく、会話をしながらあなたの家に向かう。
そしてあなたの家に到着する。
あなた「送ってくれてありがとう…!」
流「あぁ」ポンポン
あなた「あのっ!!楓…」
流川はあなたに近づき、抱きしめる。
流「無理すんな、傍にいてやるから」
あなた「うっ……ん、ありがとう…ぐすっ」
家に入り、一緒にソファに座る。
流川はあなたの背中をさすりながら、あなたの言葉を待った。
あなた「あのねっ…私……わたしっ…………」
流「……無理して言葉にしなくてもいい、泣きたいだけ泣けばいい。オレはここにいる」
そんな流川の優しさに甘え、あなたはまた大声で泣いた。
あんなに泣いたというのに、まだ涙は溢れてくる。
しばらく泣いた後、落ち着きを取り戻したあなた。
あなた「急に…びっくりしたよね、ごめんね。あ、飲み物出してなかった、飲み物…お茶でいいかな…?お茶…」
そう言って、お茶を2つ準備して持ってきた。
あなたはちびちびとお茶を飲んでいる。
流「……」
そんなあなたをみて流川はごくっと飲み干すと、あなたの方に向き直す。
流「あなた」
あなた「ん?おかわり?ちょっとまっ…」
あなたが飲んでいたコップをテーブルの上に置いた後、流川は再度ぎゅっと抱きしめた。
あなた「楓…?大丈…」
流「大丈夫じゃないだろ…」
流川はあなたにキスをしようと顔を近付ける。
あなた「!!まっ……て」
初めてあなたは流川のキスを拒否した。
流「…今日のことが原因か?」
あなた「!!…知ってるの?」
流「…オレが無理矢理聞いた」