第23章 試合後
残された4人は動けずにいた。
仙「オレだって本気だってのに…彼氏じゃねーから止めることもできねぇ…」
越「オレだって本気だ…」
信「オ、オレだって!本気っすよ!!」
神「……ほら、解散だ解散!」
そして4人はそれぞれ帰っていった。
一方牧とあなたは沈黙のまま歩いていた。
すると牧のほうから口を開く。
牧「………悪かった」
あなた「…え?」
牧「あんな形で伝えるつもりはなかった…キスするつもりもなかった…だが、あいつらに好意を持たれていることを目の当たりした後、あなたにお兄ちゃんって言われたからちょっとカッとなってしまってな…」
いつも大きくて強い牧が、今は小さく見えた。
あなた「大丈夫だよ、私こそ無神経なこと言ってごめんね。紳一が…その……知らなくて…」
牧「いいんだ、当時は隠してたからな」
あなた「そうなの?」
牧「あぁ、あの頃は小学生だったしな!あんまり会わなくなって、中学も試合会場でたまに会うだけだったが、あなたへの思いは日に日に大きくなっていったんだ」
あなた「そんなに思ってもらえてたなんて…嬉しい。ありがとう」
牧「聞いてなかったが……好きなヤツとか付き合ってるヤツはいるのか?」
あなた「居ない…わかんない…」
牧「……そうか」
ギュッ
あなた「!?」
牧「行くぞ」
あなた「ふふ、うん!」
牧とあなたは仲良く手を繋いで、昔話に花を咲かせながら歩いた。
あなた「送ってくれてありがとう」
牧「こんなのどーってことない。明日も試合だろ?早く寝るんだぞ」
あなた「言われなくても寝ますー!」
牧「じゃ、またな」ポンポン
あなた「またね!!!紳一たちと当たるまで絶対負けないから!!」
牧「あぁ」
こうして怒涛の予選初日は終わった。