第16章 嫉妬

流川の鋭い目線から目を離すことが出来ず、恥ずかしくなってくるあなた。

あなた「楓…？今日なんか変だよ？大丈夫？試合で疲れちゃった…？」

流「内緒で陵南行って、仙道に惚れられ、その日に抱きしめられ、告白され、挙句の果てにはキスまでされたと」

あなた「っっな、なんで知って……」

流「マネージャーとの会話聞こえてた」

あなた「彩子さんと話してた時か…えっと…」

流「……仙道のヤローに惚れたのか」

あなた「え…？いや…それは違うけど…」

流「よかった…………」

あなた「……？」

流「今日、オレはあいつに適わなかったし、試合にも負けちまった。このままあなたも取られちまったらって思うとどうにもならなかった。変な態度取って悪かった。」

あなた「そっか…。私もごめんね。…そんな顔しないで……」

流川は試合中とは真逆の、とても弱く、不安そうな顔をしていた。

流「……抱きしめてもいいか」

あなた「いいけど…」

流「…けどなんだ？」

あなた「楓、正直に言っておくね。私、まだ好きっていうのが分からない。けど楓に抱きしめられたり、キ…キスされたりすると凄くドキドキする。」

流「！！！」

あなた「ただ、彰さんも…同じなの。抱きしめられて、キスされても、ドキドキしたの。」

流「………」

あなた「私…、こんなにヒドい女だよ…？それでもいいの……？」

流「…あぁ、それでもオレはあなたがいい。あなた以外ありえねぇ。あなたに触れたくてしょうがねぇ」

あなた「ありがとう…楓」

流「あなた……好きだ」

ギュッ

2人は長い間抱き合っていた。

あなた「楓…いい匂いするよね」

流「そうか…？」

あなた「うん、楓の匂い…すき」

流「あなたもいい匂いするぞ」

あなた「…ほんと？」

流「あぁ、すげぇいい匂い」

流川は抱きしめていたのを離し、あなたの首筋に顔を埋めた。

流「……」ｽｩｰｰ

あなた「はっ、恥ずかしいからそんなに匂わないでよ…」