第19章 うちはイタチ part2
木ノ葉正門 あん
はぁっ...!はぁっ...!
オレは駆け抜ける
もう少しで正門!
居た!
ヨルさん!
「ヨルさぁぁん!!」
「!イタチ...」
普段のオレなら出さない大声で、ヨルさんを呼んだ。
するとヨルさんも出口に向かっていた歩みを止め、目を見開き、ゆっくりとオレに向き直る
「ま、待ってくださいッ」
全力で駆け抜けた為か、呼吸が荒いまま必死にヨルさんを止める。
ヨルさんも急かそうとする事なく、ゆっくりとオレに歩み寄った
「......イタチ...」
「なんで......何も言わず...行くんですか...」
「......」
「なんで貴女が...上司から、外れるんですか...」
「.........私が、君に教える事はもう無いからだ」
「本当にそれだけですか?
オレが...
貴女を...人工知能ヨルを知ったからですか?」
「!!」
目を見開くヨルさん...
やっぱり...
「.........そうだ」
「!」
「すまない...」
ヨルさんは少し目を伏せた。
「......」
「酷いですよ」
「ごめんね...」
「貴女から真実を伝えたのに...」
「そうだね...」
「ヨルさん...」
オレは静かに拳を握りしめる。
勝手に何処かへ消えてしまうヨルさんへの怒りや、あの時六棟ヨルを知らなければ、これからも一緒に居られたのでは?と考えてしまう後悔