• テキストサイズ

《降谷夢》bonheur {R15}

第75章 幸甚




美「う…っ…うぅ…」

高「っ、ぐすっ……」



…美和子ちゃんと高木くんは笑う事はせず
鼻を啜りながら涙をボロボロと流していた。






『ちょっ!?えぇ…!?
2人とも何で泣いてんの!?どうしたの!?』




オロオロしながら2人に問い掛けると
美和子ちゃんは手で涙をゴシゴシと拭い
それでも止まっていない涙をポロポロ溢しながら、口を開いた。




美「わたしっ…、美緒先輩が…
警察辞めた理由っ…、ずっと…何にも知らなくて…っ」


『あ…うん…、ごめんね、何も言ってなくて…』


美「先輩は、悪くないです…!!
私は…、黙って警察を辞めた先輩を…
心のどこかでっ…、責めて…いたんで、す…!」


『美和子ちゃん…』


美「どうして何も…言ってくれないんだろう…とか…、強くて、頭も良いのに……ッ、誰よりも警察官に向いてる先輩が…
なんで辞めちゃったのか……、分からなくてっ…!」


高「僕も…佐藤さんと同じです…!
尊敬している…美緒さんが…
警察官を辞める理由なんて…ないはずだと…
ずっとそう思ってました…!!なのに…」


美「そんなにっ、辛い事があったなんて…
全然知らなくって…!!
ごめんなさい…!美緒先輩…っ、
ごめんなさい…!!」


高「美緒さん、すみませんでした…!!」





2人は泣きながら、私に対して深く頭を下げてきて…


2人が謝る必要なんかないのに
そんな風に思ってくれるのが嬉しくて…
感動で胸が一杯になった。





『美和子ちゃん、高木くん、頭上げて?』




2人に近づいた私は
なかなか頭を上げてくれない2人の手を
片方ずつ掴み、ギュッと握りしめた。





『警察官を辞めてからも2人が私の事を敬ってくれてて…、本当に嬉しかったんだよ?
2人に何も言わずに辞めた私が悪いの。
過去のことを話す勇気がなかった私が悪い…
だから2人は何も悪くない。それ以上謝らないで?ね?』



美「せ、先輩こそ悪くないですよ〜!!」

高「そうですよ…!うぅ…っ」

『あーもう…、お願いだから泣かないでよー…』





2人はなかなか泣き止んでくれなかったけど
最後には私の過去を知れてよかった、と
泣き笑い状態で…



そんな私達を他のみんなは、微笑んで見てくれていた。



/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp