第74章 残像
光「今、外で銃声のような音がしたんです!」
『やっぱり…』
歩「誰かが狩でもしてるのかなぁ…」
哀「この時間にそれはないわ。」
哀ちゃんが言うように
既に外は暗いし、雪も降っていて
視界が悪いのに狩りをしている可能性はない。
ってことは…
一つの可能性を導き出した瞬間、
バーーーーンッッ
『!!』
…再び外から大きな音が響き渡った。
蘭「っ、本当に銃声みたい…」
光「きっと、誰かが山の決まりを破って
動物を撃ってるんですよ!!」
元「文句言ってやろうぜ!!」
『え…!?2人共待って…!!』
正義感に燃えた光彦くんと元太くんは
引き止めたにも関わらず、扉から走って出て行ってしまった。
蘭「早く2人を止めないと…!」
『だめ…!蘭ちゃんはここで待ってて。』
私は、2人を追いかけて行こうとした蘭ちゃんの腕を掴み引き止めた。
…もし、誰かが銃で襲われてるとしたら
あまりにも危険過ぎる。
『私が行く。蘭ちゃんはここに残って。』
蘭「っ、でも…」
『2人のことは私に任せて、
蘭ちゃんは歩美ちゃんと哀ちゃんと博士をお願い。』
蘭「わ、わかりました…」
『大丈夫。すぐに戻ってくるからね。』
蘭ちゃんに笑顔でそう伝えた私は外に出て
2人が向かった方向へ走り出した。
雪が積もっているおかげで
2人の足跡は綺麗に残ってるから
すぐに追い付けるはず…。
そう考えながら雪道を走っていると
向かっている方角から、火と煙が上がっていた。
『っ、急がないと…!!』
少しずつ煙が上がっている場所に近づいていくと…
光「うわぁぁぁぁッ…!!」
『!!』
…光彦くんの悲鳴が聞こえて来て
私の背中に嫌な汗が流れた。