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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




ーー…その後、レーザー棟での見学を終えた私達は、越智さんの運転する車で、夜ご飯のバーベキューをする為
キャンプ場へと移動することになった。





越「キャンプ場は未宝岳にあるからね。」

「「「は〜い!!!」」」





未宝岳…


大和警部が雪崩にあった場所か。



外を見ると、だいぶ日が暮れかかってきていて
山道の道路脇に積もっている雪が夕陽によってキラキラと反射し、私はその景色を楽しんでいた。




…でも、私の隣の座席に座っているコナンくんは
スマホを弄っていたようだけど、ハッとした表情になり、
また何かを企んでいるのか、私のコートの袖を引っ張って、耳打ちをしてきた。






「美緒さん、お願い。ちょっと協力して?」

『…。今度は何する気…?』

「あのね…、…………」

『まぁ…、それくらいなら…』




思ったよりも面倒くさくない頼みだったから
協力することに同意すると、コナンくんは声を上げた。




コ「越智せんせー!ボクちょっとトイレー!」

「「「えぇー?!」」」

コ「こ、困ったなぁ…、キャンプ場までは
まだ少し距離があるし……、我慢できないよね…?」

「うーんっ、漏れちゃいそう〜〜〜!!」




…股を押さえてリアルな演技をするコナンくんに呆気にとられつつ、私はコナンくんに頼まれたことを実行した。





『あのー、この近くに山梨刑務所がありますよね?
そこには差し入れを買うお店があったはずですから…
きっとトイレもあるんじゃないでしょうか…?』


「そうですね…!では一度山梨刑務所に寄りましょうか!」


『ありがとうございます。』



…良かった、上手くいった。





コナンくんに頼まれたのは、山梨刑務所に寄ること。


そこには毛利さんもいるらしいから
少しだけ顔を見たい、と言ってたけど…




…絶対、事件絡みとしか思えなかった。




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