第16章 連想
「彼は…そう、少年の頃からもう頭角を現していて、班を率いて戦場に行っていたそうよ。それが、四代目の在任時ぐらいからかしら…全く表に姿を見せなくなって。今上忍で、というと忍の活動自体はしていたとは思うけど」
「そうなんだ。イルカ先生からは、下忍選抜の担当をしていて、かなり厳しい方らしいという話は聞いたけど…ふうん、そんなすごい人だったのね」
母は一息ついて、またおかずをつつき出した。
「それに、うずまき君とうちは君か…すごい班ねぇ」
思わず漏れ出た呟きに、私は先ほど感じた班の様子を伝えた。
「そうなの。でも、さっき会ったときはね。まあまあ、まとまってる感じだったよ。先生の力なのか、あの子たちの頑張りか、和やかでね。皆明るい顔してた」
「それならいいわね」
私はおかずを食べ終わり、お茶を入れようと席を立った。
すると後ろから、母の声が続いて聞こえた。
「あ!そうそう。カカシさんは、確か……暗部でしばらく活動をしていたらしいって噂を聞いたわよ。そこで活躍して、更に腕を上げたのかもしれないわねぇ」
「え?」
暗部?
そう聞いたとき、私はすぐに今日見た仮面の男性を思い出していた。
そしてその後、何故か名前を知らないあの人の面影が、ふっと目に浮かんだ。