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明日晴れたら

第14章 名前




 僕は今「酒酒屋」にいる。

「はぁ……」

盛大な溜息と共に俯いた。周りでは客同士の賑やかな話し声。明るい雰囲気に包まれながらも、気分は何故か晴れない。

僕は店の壁際にある四人掛けの席の一角に座り、ちびちびと酒を飲んでいた。


「あのさ、いい加減にしてくれない?さっきから何回目の溜息だよ」

向い側の席に座っているカカシ先輩が、うんざりした顔をして言った。

「辛気臭い」
「……」

反論する気力もなく、再びお猪口の酒を飲もうとして、また溜息をついた。

「一体何だっての。久しぶりに顔合わせたから、付き合ってやったのに。何かの嫌がらせ?」
「いえ、そんなことは…」


カカシ先輩が暗部から離れ、正規部隊の上忍として活動し始めてからしばらく経つ。彼自身が受け持つ班も決定し、現在は下忍三人を従えての任務に忙しいようだった。

彼が任務を終えた帰り際、たまたま顔を合わせ居酒屋へと足を運んだのだ。

 
僕はというと、今日は稀にある休暇で、日用品の買い出しなどごくごく平凡な一日を過ごした。いくつか店を巡り、いつもの文具店と八百屋に寄った後のことだった。


誘い合わせてここに来たわりに、僕は席についてからほとんど話をしていなかった。

空いている椅子に、購入した文具や、八百屋で買った果物を置いている。机には頼んだ蒸し料理やら、炒めものがあるが、それも手付かずのまま。

酒を一口飲んでは、気づくと溜息をついていたのだ。

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