第6章 USJ
俺は結局、広場の戦力に加わることを選んだ。
道中、癒守さんに裏切り者が生徒だということを、ここだけの秘密にして欲しいと頼まれた。
俺は、理由は聞かず二つ返事で了承した。
「これは…まずいね」
癒守さん曰く、四次元ポケットを目指してるらしいポーチから出てきた索敵用スコープで物陰から広場を覗く。
「そんな相澤先生が…‼︎」
「あの脳みそと手の敵、正面からやっても勝ち目は薄いかな」
「早く行かないと!俺がどうにか止めて、少しでもスピードのある癒守さんが応援を…!」
「焦っちゃダメだよ。気を悪くしないで欲しいけど…相澤先生がああなった敵に、尾白くんで時間稼ぎは期待できない。」
「うっ、それは」
うーん、と唸りながら癒守さんは周囲をキョロキョロと見回している。
…委員長がいない。もし彼が救援を呼びに行ったとしたなら───────
「尾白くん、君にこれを預けよう」
癒守さんは血液の入った容器を差し出した。
「これは?」
「詳しい説明は全て終わった後にね…尾白くんにして欲しいのは、13号先生のところにこれを持っていくこと」
「今は委員長を信じて、時間を稼ごう」
なにより、初日で担任が変わるなんてご冗談。と彼女は言った。