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【ヒロアカ】19Hzの瞳孔

第4章 個性把握テスト、戦闘訓練



「ご機嫌よう、ヒーロー。」

障子は声の方向を見れなかった。


「障子!先に行け‼︎」

轟が氷を走らせ、障子とエマを分断した。
一瞬戸惑う障子だったが、エマは止める気配もなく、轟を見据えていた。

「すまん轟、任せる‼︎」

轟とエマを横目に、障子は建物内へ駆けて行った。


「止めなくていいのか?お前がなんで無事だったのか知らねえが、あとの2人は違うだろ」

「いいんだよ、訓練だもの。…私だけが独り占めするのは、ズルいでしょう?」

「随分と余裕だな。女だからって容赦しねえぞ…‼︎」

轟がまた氷を走らせた。

エマはそれをひらりとマントを翻して躱し、轟との距離を一気に詰めた。
跳躍したエマがそのまま繰り出した左脚を右手で受け止めたが、儚げな外見とは裏腹に想像以上の威力ーー勢いを殺し切れずにバランスを崩した轟に、右脚の更に重い追撃が襲い掛かり、轟の身体はビル屋内に吹っ飛ばされた。

「君みたいな範囲制圧タイプは屋内で相当気を遣う…最も、君が気を遣ってるのは別の部分かな。」

「何の個性だ…パワー系か?」

「内緒。」



ーーモニタールーム。

「轟やべぇ…」

「癒守もやべぇよ…あの見た目でパワータイプとか詐欺だろ…‼︎」

「でもこれヴィランチーム負けじゃねえの。障子先に行かせちまったら…」

先程、エマに強烈なセクハラをかまし、脳内で邪な妄想を繰り広げていた峰田は戦慄した。ーー搾りたて葡萄ジュースにされる‼︎

「(いや、少年少女よ。あの子の恐るべきは、その”個性”ではない…)」



ーーフロアに残った葉隠、尾白。


「葉隠さん、脚どこ⁈」

「ここ、ここだよ〜‼︎早くしないと障子くん来ちゃう!」

その障子はすぐそこにいた。
エマがあっさり障子を通したので、罠を警戒したのだが…。

これまで何の妨害も無い。氷から脱出したらしい尾白も葉隠のカバーで手が一杯。

轟を信頼しない訳ではないが、癒守が追いついたり、葉隠の氷が溶けて多対一になるのが一番良くない。


「済まないが勝たせてもらう…!」

「くっ…」

尾白の尻尾と、障子の複製腕がぶつかる…‼︎



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