第4章 個性把握テスト、戦闘訓練
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麗日は、爆豪を抑える緑谷と分かれ、核(仮)を護衛する飯田の元に来ていた。
「爆豪くんはナチュラルに悪いが、今回の訓練に関しては的を射ているわけだ。ふむ…ならば僕も敵に徹すべきなのだ…ーー」
彼はとても誠実だった。
「俺はぁ…至極悪いぞぉぉ」と悪っぽい雰囲気を醸し出す飯田に、お茶子は思わず吹き出してしまった。
一方、モニタールーム側。
エマは、内心飯田を高評価していた。
ーー彼はきっと、ものすごく良い人。それに…
「爆豪少年ストップだ、殺す気か!」
オールマイトの静止に、エマは爆豪と緑谷が映った映像に目を移した。
爆豪が籠手のピンを抜くと、大規模な爆発が起きて緑谷は吹き飛んだ。
爆豪勝己の個性『爆破』は、汗腺からニトロのような汗を出し爆発させる!溜まれば溜まる程、その威力は増していく!
それを見た切島は、思わず「授業だぞ、コレ!」と叫んだ。
「先生止めた方がいいって!爆豪あいつ相当クレイジーだぜ、殺しちまうぜ⁈」
「いや……爆豪少年、次それ撃ったら強制終了で君らの負けとする。
屋内戦において大規模な攻撃は守るべき牙城の損壊を招く!ヒーローとしては勿論、敵としても愚策だそれは!」
エマは完全に興味が失せたようで、透明人間・葉隠をお触りして楽しんでいた。
「ちょ、エマちゃん、そこ胸!」
「さっきのお返し。」
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「君が凄い人だから、勝ちたいんじゃないか‼︎勝って、超えたいんじゃないか、バカヤロー‼︎」
「その面やめろや、クソナード‼︎」
エマは葉隠の頬をモチモチしていた指を止めた。
「爆豪の方が余裕なくね?」と誰かが呟いたのを聞きながら、鋭い目でモニターを見た。
音声はオールマイト以外には聞こえていない。
それでもエマは確信していた。
みんなヒーローが好きだもの…やっぱり、良い人は勝たなくちゃいけないよね。
緑谷は、この爆豪相手にも勝機を見据えていた。
緑谷のスマッシュと爆豪の爆破がぶつかり合い、天井に大穴を開けたのだった。噴き上げた瓦礫の上には麗日・飯田のいるフロアがあったのだ。
麗日ぎ噴き上げた瓦礫を柱で撃つ『彗星ホームラン』が決まり、ヒーラーチームが核を無事に回収したーーー。
「ヒーローチーム…WIN!!」