第5章 しみずくん
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「早織さんホットミルク好き?」
「うん。好きだよ?」
「じゃあ作ってあげるね。少し待ってて」
キッチンへと向かって早速準備をする。怪しまれるから砂糖を足しているってことにしよう。
「砂糖少し入れるね」
「はーい」
警戒すらしていなくて安心した。しまってある棚から例のクスリ__媚薬を取り出して、多めに入れる。
どうなるのか楽しみで仕方なくて笑いそうになるのを必死にこらえた。
「どーぞ」
「ありがとう」
テーブルにマグカップを置き、早織ちゃんの隣に腰をおろす。僕は手に持っているホットミルクを1口飲んだ。
「あったまるね」
早織ちゃんも一口飲んでそう言った。なにを飲まされてるかも知らないで。ひとくち、ふたくちとミルク飲んでいく。
案の定、クスリは効いたようだった。頬を真っ赤に染めて、目には涙が溜まっている。呼吸も荒くなってきた。
「やだ、なんか、あつい………かも、」
「どうしたの?早織さん?」
きた。きた!!!薬が効いてきた!!少しづつ乱れる早織ちゃんを目の前にして、僕は分かりやすく喉をごくんと鳴らした。