第3章 犯した過ち
「まだ言わないわけ?」
「あ、ぁ、絶対言わないもん、!」
足に力が入らなくなって、そのままベッドに放り投げられた。そこからずっと拷問みたいにローターを執拗に押し付けられた。私の足はガクガク震えっぱなし。
「こんなキスマ付けてきて今更かよ」
その時、散々刺激していたローターの振動が止んだ。それでも余韻からは抜け出せなくて脳がふやける。
「当ててあげよっか。お前がしてきた事」
一気にこの部屋の空気が凍りついた。途端に息が出来なくなって、胸が苦しいくて、痛い。
「セックス、したんだ。俺に黙って他の男に着いてったんでしょ?」
「ち、ちがう!」
図星だ。正直最初、抱かれる前はどんな反応するんだろうって気になったし私だってこのくらい出来るんだもんって証明したかった。でも今はバレたくないって気持ちが勝ってて。いざ目の前にすると怖くてたまらない。
「やっぱそうなんだ?ねえ、そいつとするセックス気持ちよかった?」
「な、!!!だからちがうってば!」
否定しても雅哉はまるで聞く耳を持たない。明らかにフラストレーションが溜まってる。
「ふざけてんだろお前」
「やだっ、雅哉て、手首痛い、っ!」
キリキリと強い力で手首を押し付ける。こんなの何回もされたことあるけど比べ物にならないくらい痛くて、怖い。
「じゃあ比べてみる?どっちとするセックスの方が気持ちいいか」
「何言って……………」
服の隙間から右手が入り込んできて、ゆるりとお腹を撫でられる。左手は無防備なふとももに掛けられた。
そのまま唇を塞がれる。離れて、すぐにくっついて。
だめなのに、こんな事っていつも同じことを考えるのは何度目だろう。頭じゃわかってるのに、すぐにこうやって流されてしまう。少し、ほんの少しだけ満たされてる自分もいるのも本当に嫌だった。