第3章 犯した過ち
散々、雅哉には意地悪されてきたけど。ほんとうにしちゃうのはこれが初めてだった。
唇が優しく触れる。リップ音が部屋に響いて恥ずかしくなる。
違う。キスも、匂いも、全部違う。
カサついた唇に、優しいけどどこか雑なキス。雅哉とは正反対の酔ってしまいそうなくらいあまーい匂いにクラクラする。
初めての感覚だった。気持ち良くない。雅哉とのキスの方が気持ちいいなんて頭の片隅で思い出してしまう。
服もあっという間に脱がされた。彼はずっと優しい顔をしてる。それがやけに不気味だった。
少し怖いけど、ここで怯んだら雅哉に負けちゃう。あっちだって散々女の子と遊んでるんだもん。私だってそのくらい…………
ブラのホックが外される。雅哉以外に初めて見られた私の身体。
「さわるね?」
「んっう…」
瞬間、身体が強ばった。何故かはわからない。ギュッて力が入って目も瞑った。生まれてから今日まで、私の身体に触れたことがあるのは雅哉だけだった。
どうしてこんな時にも雅哉を思い出しちゃうの?
ムードは完全に出来上がっていて、身体をベタベタと触られる。時には口付けられたり、吸われたり。何が何だか分からなかったし、分かりたくもなかった。
「いっ……………」
「ごめん。跡つけちゃった」
「は………、あと?」
彼は首を手でなぞった。もしかして、キスマーク?
「うん。多分、髪の毛で隠れると思うけど。我慢できなくてつけちゃった。ごめんね」
ほんとにそう思ってるの?悪気はないようにみえた。こんなの雅哉にバレたら何されるか分からない。
「ひっう……………、っ!?」
秘部に手が伸びてショーツの上から割れ目をなぞられる。そのまま膨らんだところをかりかりって執拗にいじる。
雅哉に嫌なほど快楽を植え付けられたせいで、気持ち悪いのに少し触られただけですぐに濡れてしまう。