第3章 守る決意
(……まあ、私の事は仲間どころか妹のように見てるみたいだし、恋仲になるとかはあり得ないんだろうけど。)
そう、杏寿郎の "大切に育てよう作戦" は、つむぎに誤解を与えてしまっていたのだ。
そんなつむぎの考えなど露知らず、かざみと杏寿郎は水面下でそれぞれの考えを共有しあっていた。
か(やはりつむぎに想いを寄せているのか…。)
そう驚きながらつむぎを見ると、つむぎは暇そうに自身の手を見つめて上の空になっていた。
か(この興味の無さは…。慕っている相手と自身の父親が話すとなれば、普通…気にする筈だ。つまりつむぎは…、)
かざみは杏寿郎が煉󠄁獄家の息子だからと言う訳ではなく、ただ良い子だからつむぎの反応を残念に思った。