第3章 守る決意
杏「つむぎさんは少々危なっかしいところがあったので、周りの男を牽制していました!近くで生活している隊士には粗方 "挨拶" 出来たので暫くは大丈夫でしょう!」
牽制が "我儘" だという事は、杏寿郎が個人的な感情を持って自身の為になる牽制を行ったという事だ。
か「それは…、」
「挨拶?そんな平和な事してた?」
つむぎがそう首を傾げると、杏寿郎は満面の笑みを浮かべる。
杏「していたぞ!平和ではなかったがな!!」
「平和じゃない挨拶って……杏寿郎くんってたまにおかしな事言うよね。」
両親はそんな会話をする二人から視線を外し、見つめ合った。
都(あの煉󠄁獄家のご子息が……、)
か(……つむぎを見初めた…?)
幸い、つむぎに家を継がせる気がなかったかざみは、すでに後継人を決めていた。
つまりつむぎはどこの家にでも自由に嫁ぎに行くことができるのだ。
か(まだ互いに子供。どうなるかは分からないが…、)
か「…ここまで送ってくれた礼もしたい。上がってもらえますか。」
かざみはそう言うと杏寿郎を屋敷の中へと招いたのだった。