第3章 守る決意
か「あ、頭を上げて下さい!!」
あたふたとする父親を見てつむぎはしたり顔をした。
(ふふ…作戦大成功。連れてきてよかった。)
都「つむぎ。」
騒ぎを聞きつけていつの間にか様子を見に来ていた母親・都代子が冷たい声を出した。
「お、お母様…。ただ今かえりました…。」
つむぎはその声の冷たさに喉をこくりと鳴らす。
酷く心配をしていただけに、都代子の声は冷え切って刺々しかった。
都「随分と得意気な顔でしたね。煉󠄁獄家のご子息を利用したのではないでしょうね?」
つむぎはその問いに答えず、冷や汗を流しながら俯いた。
か「お前はまた…、」
かざみも都代子の言葉で自身がまんまと操られたのだと察した。