第3章 守る決意
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杏「では行ってくる!!」
「本当にお世話になりました。」
その声に千寿郎が微笑みながら頭を下げる。
千「五十嵐さん、ありがとうございました。兄上、気を付けていってらっしゃいませ。」
杏寿郎は門前で見送る千寿郎に手を振ると、歩きながら隣のつむぎに視線を落とした。
杏「前々から思っていたのだが、何故千寿郎に敬語を使うんだ。俺には使わないだろう。」
その言葉につむぎは眉尻を下げる。
「だって年下とはいえ煉󠄁獄家の方だし…。杏寿郎くんみたいに許可がおりていない以上、気安く話せないよ。あと前々からっていつ頃から」
杏「なるほどな!!!」
杏寿郎は答える気がないのかつむぎの質問をかき消してしまった。
当然つむぎは良い気がしない。