第3章 守る決意
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「し、失礼します…。」
そう言ってつむぎが部屋を覗くと、杏寿郎は笑みを消し、胡座をかいて待っていた。
「…心当たりないんだけどなあ……。」
杏「早く座ってくれ。」
「ひゃい。」
つむぎは肩を竦めて座布団の上に腰を下ろした。
(『女だと自覚しろ』って怖い感じで言われたけど、昨日は同じ部屋で男の人と寝たりしてないし…。)
そんなつむぎの前に紙と筆が差し出される。
つむぎはすぐに筆を握った。
『怒られる心当たりがないよ。』
そう書いて少しむっとした顔をしてみせると、杏寿郎の目が据わる。
つむぎは急いで文字を墨で塗り潰した。