第1章 始まり
(何だろう…何を思ったんだろう。)
そんな事を思っていると、二人のおかっぱの少女、産屋敷ひなきと産屋敷にちかがやって来た。
その二人の正体を知っているつむぎと少年はパッと姿勢を正した。
ひ&に「「お帰りなさいませ。」」
ひ「おめでとうございます。」
に「ご無事で何よりです。」
その言葉を聞くと、ようやく感じた達成感と共に震える息を吐いた。
(本当に、突破できたんだ…。)
ひ「まずは隊服を支給させて頂きます。
体の寸法を測り、その後は階級を刻まさせて頂きます。」
に「階級は十段階ございます。」
ひ「甲、」
に「乙、」
ひ「丙、」
に「丁、」
ひ「戊、」
に「己、」
ひ「庚、」
に「辛、」
ひ「壬、」
に「癸。」
それを聞いてつむぎは視線を落とした。
甲まで上り詰めた後、命を落とした二人の兄を思い出したからだ。