第8章 (※)二人切り—その弐
「ねえ……、話聞いてよ……。」
そう弱々しくなったつむぎを脱衣所に降ろし、杏寿郎はにこにことしながらつむぎの隊服のボタンに手を掛けた。
杏「もうしおらしくなってしまったのか。もう少し吠えた方が好ましいのだが。」
その言葉につむぎはグッと眉を寄せて杏寿郎の手を掴んだ。
「犬扱いするのやめてって言ったでしょ!もう立派な女性なんだから!!」
杏「ああ、そうだな。君はすっかり素敵な女性に成長した。」
杏寿郎はそう言いながらつむぎの頭を褒めるように撫でる。
するとつむぎの頬が僅かに染まった。
「ほ、褒めればいいと思ってるでしょ…。」
杏「ああ!思っている!!」
「な゙ッ」
つむぎは再び噛み付きそうな顔付きになって顔を上げた。