第8章 (※)二人切り—その弐
杏「勿論、君を抱くぞ!なるべく急いで風呂に、」
杏寿郎はそこまで言ってハッとした顔付きになった。
杏「一緒に入るか!!」
「え…?何に」
杏「風呂にだ!!」
その答えにつむぎは赤くなりながら眉を寄せて首を振った。
「は、入るわけないでしょ!体洗ってるところなんて見られたくに゙ゃッ」
杏「そうか!!」
杏寿郎は相槌を打ちながらも意見を無視し、つむぎを横抱きにした。
当然、つむぎは赤くなって怒った。
「入らないってば!!また耳聞こえなくなったの!?」
杏寿郎はそんな嫌味にもにこりと笑顔を返す。
杏「そうかもしれないな!!」
「聞こえてるじゃん!!離してってば…っ」
この広い屋敷には何人か世話焼きの隠が通いに来ている。
その為、もう既に熱々のお風呂がつむぎを追い詰めるように用意されていた。