第5章 ※逆鱗
杏寿郎は剝かれたつむぎの体を見て目を細めた。
杏(これ程非力となればこの姿も他の男に見られたのだろう。)
「杏寿郎くん…、ほ、本当にちがうの…もう」
杏「あれ程嘘を重ねられて、今更どう信じろと言うんだ。」
情けない姿にされたつむぎは赤くなって涙を滲ませた。
そして袴を上げようと引っ張る。
それを見た杏寿郎はつむぎの足を抱えると袴を完全に脱がせてしまった。
諦めが悪いつむぎは、その間にはだけさせられていたシャツと隊服の前を握って体を隠した。
杏「つむぎ、良い子にしていてくれ。」
「良い子って…、黙ってされるがままになれってこと…?」
つむぎが少し棘のある言い方をすると、杏寿郎は黙ってつむぎを見つめた。
その瞳にはまだ嫉妬に煮え滾る熱が残っている。
杏寿郎は喉をこくりと鳴らして静かになったつむぎの頭を撫で、再びシャツの前を開けた。