第5章 ※逆鱗
杏「帰した…?つむぎは帰ったのか?まだろくに話していないのに、そんな筈はない。やはり妙だ。」
し「元々忙しい合間を縫って会いに来たんだそうです。また明日来ると言っていましたよ。」
それを聞いた杏寿郎はやっと張り詰めていた空気を緩めた。
杏「そうか…また明日来てくれるのか。」
しのぶは杏寿郎のほっとした顔を見て少し胸を痛めた。
し(でもつむぎさんの気持ちも分かる。今はこうするしか…。)
し「では失礼します。きちんと寝ていて下さいね。」
杏「うむ!ありがとう!!」
蜜「お疲れさまです!」
ずっと二人のやり取りを黙って見ていた蜜璃は、ようやく息を深く吐いた。
蜜「じゃあ、私も自分の病室に行きます!」
杏「ああ!ありがとう!!」
そうして蝶屋敷は静けさを取り戻したのだった。