第4章 告げる
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それから二人は帰る家が同じ方角であった為、少しゆっくりと歩きながら話に花を咲かせた。
鬼殺に二年、心血を注いできた二人の話題は自然と色気の無い鬼殺の事ばかりになってしまった。
「……あ、そういえば…、訊いてなかったよね。今の階級。」
杏「君、ずっと気にしていたろう。ばれているぞ。」
「ゔ。」
向上心が強いつむぎは、煉󠄁獄家には適わないと分かりつつライバル視してしまっていたのだ。
「じゃあ、せーので見せ合おう?」
杏「うむ、良いぞ!」
「せーの!」
「「階級を示せ!!!」」
ズズッと二人の手の甲に出てきた文字は『己』と『丁』だ。
つむぎが上から六番目の己、そして杏寿郎が上から四番目の丁であった。
(…………思ったよりは引き離されてない…。三階級は離されてると思ってた。)
つむぎはそう思うと満足そうに微笑んだ。
杏寿郎もその笑みを見て微笑ましそうに目を細めた。