第16章 みんなで呑もうよ♪
昼になり、突然、カカシ先生から通達があった。
「ま、兎に角。お前には一度、里に戻ってもらうことになったから。」
「…だから、嫌だっつってるじゃないですか。」
何の前置きもなく、何なんだよもー。
「一度って言ったでしょ。綱手様にはきちんと報告入れた方がいいと思うよ?」
「う〜ん…。」
それはそうだろうけどさ…。
「それに、ウルジさんが言うには、お前の手には木の葉隠れの入里札が握られていたんだって。だから、俺達に連絡が来たわけよ。…ほら、これ。」
手渡されて、身を起こして受け取る。
確かに入里札だけど…。
私、こんな物持ってないよ。
私が首を振ると、カカシ先生はやっぱり、って顔をした。
「ウルジさんの前に、お前を助けた誰かがいたんだろうね。で、お前が見つかりやすいように、この家の前まで運んだ。」
「え、私、ここで倒れてたんですか?」
森の中にいた筈だけど。
そこで力尽きたから、人里にまで来れる筈が…。
ま、まさか…。
別人格が…?
「…どうかした?」
「い、いや…何でもないです。何でも…。」
言えるわけない。
しかも、まだそうと決まったわけじゃないし。
サソリさんの仮定の話だし。
「エニシ?エニシ〜。何か抱えてるなら言いなって。何事も、抱え込み過ぎたって手に余るだけでしょ?」
「いや…でも…。」
誰にも知られたくないんですが…。
人の目が沢山あるここでなんて特に…。
「エニシ、周り見てみなよ。今だったら、誰もいないよ?」
「え?」
顔を上げて、周りを見回すと、気を使ってくれたらしいみんながいなくなっていた。
念の為にと、円でこっそりと探ったら外にもいないようで。
それを見ていた先生は苦笑する。