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【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】

第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」


それから一週間、抜糸、定期健診、リハビリ、短期間であらゆることをこなし、FBIの護衛の下で長いようで短い約一週間の入院生活が終わった。
FBI捜査官と名乗っていた赤井さんに連れられ、病院の裏口からゆっくりとした足取りで病院を出る。

「大丈夫です、歩けますから」
「まだ傷は癒えていないはずだ。気にすることはなない。護衛が俺達の役目だ」

少しの段差や私がちょっとでも足を止めれば彼は私の腕を取って支えてはくれるが、流暢な日本語を話しつつも根っから染み付いた異国の距離感や習慣はつかめない。
それとも私が職業病なだけ? ああ、でも待って、風見さんならやりそうだ。

そんなことを自問自答すると、最初は振り払っていた赤井さん手助けを渋々受け入れ近くに止めてあった彼の車へと向かった。

「随分派手な車ですね」
「それは誉め言葉としてとらえていいのかな?」
「まあ…………?」

鮮やかな赤にセンターには白のライン………フォードマスタング。目線を下げれば身に覚えのある、タイヤのホイール――――

もしかして――。

「もしかして、昨日跡を付いていたのは……」

そういいながら目線を向けると、赤井さんは微かに口角を上げた。

助手席へ回り、扉を開けてもらうと支えてもらいながらゆっくりと足を上げて助手席に乗り込んだ。
この座る動作が何気に痛く、毎回ひやひやして力んでしまう。

ご丁寧にシートベルトまで絞めてもらう時、ふわりと香ったのは煙草の匂いだった。

そういえば――――もう、何年になるんだろう。

赤井さんは助手席の扉を閉めると前方から回り運転席へ乗り込む。
警察官て言われると、一般的には真面目とか誠実とか正しくなければいけないとか、そんな偏見ばかりだけど。
警察官にだって悪い人はいるし、警察官も立派な仕事だし、警察官だからと言って失敗を過剰に指摘する人もいる。

煙草も吸うし、浮気もするし、結婚もするし、死ぬことだってある。
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