【降谷零】SPARK × PUNK【名探偵コナン】
第5章 「元整備士」×「ポルシェ356A」
※スマートフォンの設定にすれ違いがありますが、書き終えた後修正致しますので。ニュアンスで読み取って頂けると助かります……
「先に警視庁へ行くぞ、ちゃんと絞めろよ」
「そのつもりです」
あの時、事件後に会った時の柔らかな印象の降谷くんとは違い、いつも通りのキビキビとストイックな降谷くんを見て少しだけ安心した。
そして、今回の潜入捜査ですべてのことを終えた頃にはすでに夜の十時を回っていた。
久しく署へ顔を出せば鉢合った顔見知りの仲間、特に風見さんは降谷くんから詳細は聞いていたものの事件の直前まで連絡を取り合っていた、当時一番近くにいた人物。顔を真っ青にして質問攻めをされなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだったが「本当に無事でよかった」と、「力になれなくて申し訳ない」と、風見さんと私の心配と謝罪と感謝の永遠に終わらない擦り付け合いに終止符を打ったのは降谷くんだった。
なんでもない日常のありがたさを身に沁み込ませながら、あの時守ってくれた降谷くんの型落ちのスマートフォンと、手に持っていたまだ買って間もない新品のスマートフォンを照らし合わせ握りしめた。
××××
「もしもしシュウ?」
『ジョディか、調査はどうだった』
宮下が去った数分後、人通りの少ない病院の廊下に声が響く。
「ええ、確かに三年前に歯科治療をしているわ。それも健康な歯を抜歯している。」
『やはりな、他に何か気になることは書いてあるか?』
「特に見当たらないけど……急にどうしたの? 急に過去の治療履歴なんて探し出して」
『あの娘、家には設計図も説明書もないと言っていてな。 全部燃やしたと言ってた』
「家には…? じゃあほかのところに………まさかッ‼ 自分の体内に隠すなんてこと――」
『ああ、それがもし本当なら。あの宮下修造の娘なら………やるぞ。確実にな』