第1章 出会い
「あはは…ほんとは煉獄さんのことずっと狙ってたんだー。」
りんが友人達にそう返すと男は眉を寄せる。
男「本当に煉獄がタイプなの?全然話してなかったじゃん。」
りんはまだ諦めてなかった男に腕を掴まれると再び身を震わせた。
杏「………。」
(こんな顔面偏差値高い男の人の腕掴んでるのに引かないってメンタル強すぎでしょ…!)
「あーちょっと気持ち変わっちゃったんだよねー。」
りんがそう言って杏寿郎の腕に自身の腕を絡ませると男はやっと引き下がった。
男「………………ビッチのくせに。」
その言葉は天元にしか聞こえなかった。
そんな事を言われているとは露知らず、りんは背伸びをして杏寿郎の耳元に口を寄せる。
「すみません、今は合わせてくれませんか…?」
杏「…構わないが。」
首を傾げながらもそう返してくれた事にほっとすると皆の方を振り返った。
「じゃあ私お先に失礼するねー。」
杏「俺も失礼する!!」
りんの友人達は明るく挨拶を返すと手を振り返した。