第1章 出会い
「ま、まってよ…。」
りんがそう戸惑っていると、その様子から嘘だと勘付いた男が再び手を絡めてくる。
(ぎゃん!)
りんは肩を跳ねさせると無害そうな杏寿郎の腕にしがみついた。
天「何だよ、満更でもねぇんじゃん。」
天元はりんの事情を知っててそう笑う。
「……ゔー…ッ」
杏「…………………………。」
りんが天元に唸り声を上げて怒っていると、杏寿郎は面白いものを見るような目でりんを見つめた。
杏「さすが従姉妹だな!普通の女性はあのようになるぞ!」
そう言って杏寿郎は我先にと天元に話しかけている友人達を見つめた。
その視線に気が付いた友人達は、杏寿郎の腕に掴まるりんを見て『えーいつの間に?』『さすがりん…。』と驚いた。