第1章 出会い
そして結局、その夜は誰も収穫を得られずに解散となったのだった。
男「この後飲み直さない?」
りんにずっと絡んでいた男はそう言うとりんの指に自身の指を絡めてきた。
りんはぞわっと鳥肌を立たせると手を振り払い、助けを求めるように天元に視線をやる。
すると天元はにかっと笑った。
(……?)
天「わりぃけど、りんはこいつの事が気になってるらしいんだわ。」
杏「宇髄?」
天元はズカズカと歩いてりんの元に寄ると、引き摺ってきた杏寿郎を差し出した。
「……え?」
りんは杏寿郎と一言も会話をしていない。
天元とは中学から別であった為に杏寿郎の事は話でちらりと聞いたくらいだ。